【動画】「ニコ生思想地図第5回」を見て:物語の祝福 物語の呪い

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 ニコ生思想地図第5回「ばらばらな社会は経験を共有できるのか」と題して、オルタナティブなカルチャーにスポットを上げながらクラブミュージクなどを紹介する番組ドミューンをUSTで配信している「宇川直宏」さんとの対談。

 えーと、見てから時間が経ってるって言うのと、計4時間にも及ぶ長丁場な為、論点を絞りづらいという点で、何を語っていいやらなのだけど、個人的に気になったのは「物語」と言うキーワード。

 大学の授業に顔を出してきた時に、電子コミュニケーションと言うテーマの講義を聞いて、ゼミの恩師でもある先生が主張してたのは、ネット上のコミュニケーションツールで最も優れている可能性を持っているのは「2ちゃんねる」だと言う事。
 曰く、2ちゃんねるの優位性は神話と口承と言うキーワードで語れるそうな。
 それだけではいまいちピンと来なかったので、もうちっと突っ込んで聞いたら、コミュニティにおける物語の効果だ、と言う話を頂いた。

 そう物語。である。

 コミュニティにおける物語は、成員をコミュニティへと惹きつける役割を持つのだと思う。2ちゃんという匿名性の掲示板で、先生がその効用を神話と口承と表現したのはどういう意図かというのはまた別の機会に考察したいと思うのだけど、つまり、物語には人を惹きつける力があるのだと思う。

 ヒトと言う生き物は、集団で生きる、群れを作る生き物だ。だから、他人に気を遣う。他人に興味を示す。自分の中に他人を、他人の中に自分を見ざるを得ないのだと思う。
 人が人とが関係する時、そこに物語は生まれる。そこに物語がある時、人は、その物語を認識し消費し、そして判断を下す。肯定的か否定的か、それとも、無視するか、対応はそれぞれあろうが。

 東氏は対談において、フクシマを救うのには、そして日本を救うのには物語が必要だと語る。それはそのとおりだし、だけどそれには悲しい前提があって、今フクシマを福島でなくフクシマに貶めているのもまた物語であるという事実だ。

 物語は単なる力だと思う。それをどう使うか。
 
 でもかねてから感じていたのは物語の力が、僕らを強く縛っているなぁと言うこと。気づかない内に、僕らは内に物語を秘めている。
 いやもしかしたら物語の胃袋の中に居るのかもしれない。

 僕はもっと物語を意識して、距離をとったり、味方につけたり、あわよくば生み出したりコントロールしたり出来るようになりたいと思う。


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